綴る人。

日々の感情を綴る。

N島ウルルン滞在記。

用事があって、昔の実家に行った。

今は違うところに実家があって、引っ越す前の家。

思い返せば、色々とあって住み始めた家だった。

かなりボロくて、風呂もシャワーとかがなくて、初めのうちは心底嫌だった記憶がある。

事情も知らずに両親にこんな家に住みたくないと我儘を言ったこともある。

しかし、私を育ててくれた両親と同じくらい、その家には守ってもらった。ゴキブリは年中滞在していたし、梅雨の時期にはムカデが凱旋してきて蚊帳の城に籠城したこともあったが、その家は間違いなく私をいつでも出迎えてくれたのだ。今ではそう思っているのである。

いつしかシャワーのない風呂場で湯舟に浸かりながら、窓の外の竹藪がサワサワと音をたてるのを楽しみにしていたこともある。

帰りは「ありがとーう」と言って帰ったが、聞こえていただろうか。鬱蒼と茂る植物と同化しながらも、「まあ、また来いよ。」と言ってくれたら嬉しいなと思う。


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