綴る人。

日々の感情を綴る。

啓蒙獣

本を読みながらふと、思う。

この本の内容がきちんと頭に入っているのか。例えば、今読んでいる本の内容を、5年後にも記憶しているのか、この本が言いたかった事は何だったのか覚えているかといった疑問。

内容や結論を言えないことには、本を読み終えたことにならないではないか、と最近自分に対して不信感を抱く。

読書を趣味とし始めた時期が7~8年前、本格的に読み出したのは3~4年前。最近はそのような疑問が浮かんでからか、読んだ本の内容で大事な部分には、携帯電話のメモ機能を使って記録に残すようにしている。

しかし、とある本には、人間はメモ等の記録に残す行為によって、その行為自体に満足し、まともに読み返したりすることなく記憶から排除してしまうのだという。これでは本末転倒。

結果的には未だにこの行為は続けている。確かにメモを取ることによって安心してしまい、記憶することよりも上手くまとめることの方にシフトを変えてしまっている感は否めない。

また、細かく記憶するにはアウトプット、すなわち他人に対して、自分が記憶したことを伝えることで、更なる理解が深まるらしいのだが、これがなかなか上手くできない。やはり、きちんと記憶として定着していないのだろう。

全く関係ないことや、脱線した話の内容に関しては、なぜかしっかりと記憶しているという摩訶不思議な現象も起きる。

私には、読書は向いていないのなのかもしれない。それでも、活字を読むとなぜだかワクワクする。書店に行くと1時間以上彷徨く。

気が付けば、書を片手に自分の世界に入り込んでいる。それでもいいか、と、思う。やはり読書は、やめられない。